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エッセイ アーカイブ

2008年01月23日

帝都に雪が舞う。空には雪が舞い,銀色に様変わりした地を見ると,僕を流れる大和の血は72年前のあの日のことを思い出す。あれは先祖同士の葛藤であった。西群と東群の血流が混ざった私の血は,その事件を思い出す度,帝都の雪を見る度に,その混血感から沸沸と沸き,五臓六腑の血管を圧迫する。

記録的な豪雪となった1936年2月26日,皇道派青年将校は,天皇から預かった兵を動かし,クーデターを起こした。彼らの目的は昭和維新を起こし,清い政治と,豊かな国を造ることであった。大財閥と政治家が癒着している腐敗政治,そして大恐慌から始まった不況の不安。その行き詰まった状況を打開するためには,現在の体制を徹底的に叩き壊す必要があった。

余談であるが,皮肉なことに,226事件を動かしたのは三井から受けた資金であった。財閥の中でも三井はクーデターの危険性を予知し,若手将校に資金供給を行っていた。したがって,三井は被害を受けなかったとされる。結局彼らも財閥と癒着していたことは非常に皮肉なことである。

さて,彼らのクーデターは現状打破達成,さらに霞ヶ関を占拠するに至る。
しかし,保守的な軍部と,それの擁する天皇の鶴の一言によってクーデターは失敗に終わる。有名な,「君達の父母は逆賊と呼ばれ啼いておるぞ」のくだりである。

その後,軍の執行部はこの異端組のクーデターの規制事実までも利用し,さらに政治に発言権を強めていったことは周知のことである。


***
帝都の地下鉄は霞ヶ関に停まった。占拠された国会議事堂は,今も平和な腐敗政治をおこなっているが,降り続ける雪と同じく遮るものもない。

かつて安保闘争の際に,226事件の主犯格であった山口一太郎は,安保のように皆の協力を受けたならばクーデターは成功しただろうに,と言ったそうだ。

226事件のすべてを起こした者たちは大抵が20代。老人たちの腐敗政治を倒したい夢に燃えていた。燃え尽きた3日間。いつの時代も,組織の中枢をなす大人たちと,青年はぶつかるものである。いや,正々堂々とぶつかるべきである。個々の結果はどうであれ,その活力というものが人類社会を動かして来たに違いない。
帝都の雪は止まない。

2008年03月09日

なりとうないはなってから言え

「なりとうないはなってから言え」

「さくらん」という映画に出てきた言葉。

非常に印象に残った。というか,正に我が意を得たり,という感じである。

このストーリーにおいては,将来女郎になるはずの小さい女の子が,花魁になりとうない,と言うのであるのである。その場合,本当になりとうないのかもしれないが,世の中には,数々のなりとうないが存在しており,それは挫折に対する負け惜しみであることが多々ある。受験で失敗した場所に対して,「あんなところにはいかなくてよかった」と,本心から言えるヒトはなかなか少ない。もちろん,そのすべてを受け入れた上で,「いかなくてよかった」ならば,それは何も言わないよりも,ずっと高尚な精神活動であると思うが,そうでないケースの如何に多いことか。

この映画の文脈とは異なるが,なりとうないはなってから言え,というのは本当に良い言葉であると思う。それと同時に,ろくな努力もせずに,できなかったという者も多いが,できない,もやってから言ってもらいたいものである。

チャレンジして,失敗して得るもの。それは成功よりも大きいものであることも多々あるが,少なくとも,できなくてよかった,と思っているうちは,劣等感しか得られないだろう。

なりとうないはなってから言え。自分自身肝に銘じておきたい言葉であった。

2009年12月30日

ホンマでっかニュースSP テロメアは嘘でした

フジテレビの番組で,テロメアの長さで寿命がわかる,誰々はあと何年生きる,というのを延々とやっております。

テロメアの長さが寿命になるという真っ赤な嘘を前提に延々と1時間も持たせるのは,いかにもテレビの構成らしい,と思いました。まじめに内容をしゃべるより,おもしろおかしくヒトを出汁にして一つのネタだけで持たせると,理解させやすい,ということです。最初の時点で疑問があっても,反復しているうちに疑問は忘れてしまいますしね。

根本から大嘘な番組を,一時間も延々とやっていること自体,恥知らずだとは思うんですが。
専門家の立場から言わせてもらうと,真っ赤な嘘です。なぜなら,テロメア切れになる前にがんになって死ぬからです。


やるんだったらがん原遺伝子片っ端から調べて,あなたは何がんが危ない,とか,がんになりやすいなりにくい,とやった方が意味があると思います。かなり深刻になるけど。手相占いと同じ感覚でやってるのだろうけど,根拠を科学に求めるならまともにやらないとまずいかと。

嘘並べて,マスコミは本当に無責任だ。まぁ,教育レベルが落ちて困ったら神風が吹いて何とかしてくれるんだろうが。

2010年02月28日

心の強さ

先日友人と飲んだときに,さらりと,「あいつは心が弱いから」と言っていた。
心の強さがなければ,たしかに逆境にも耐えられないし,すなわち何事もなしとげられないだろう。
一貫した強い心があれば,逆境にも負けない強い芯を持っていられるし,かといって,むやみやたらと反発するわけでもなく,自分の平静を保ち,順応しながら本質的なところは通していけるのではないかと思った。もちろん,その強い心,というのをどうやって形成するか,というのは未だにわからないが。

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