ニッスル染色
Nissl染色という、神経をやるヒトならまず必ずやったことがある非常に一般的な染色法があるのだけれど、この染色液が曲者で。
ちゃんと染まるMerckのものが絶版になってしまって、その後に出たMerckのものは染まらないらしく、うちのラボで僕が来る前に買っていた Chroma社のものはマジでゴミ同然。70%エタノールでがっつり抜けて何もなくなる。困って当時近くの大学にいらした形態学の師匠のところに行って少しばかり古いちゃんと染まる物を分けてもらったのでした。
僕がいる間は、できるだけ長く使えるように、と思ってけちけち使ってきたけど、とうとう尽きて、ラボで非難囂々(ニッスルのやり方とかは私に相談がくることが多いので)。重い腰を上げて、いろいろなところに聞き回ったが、どこも同じ状況で困っているとのこと。
ちょうど来ているカナダ人の口の悪いおばちゃんが形態学屋だからひょっとして、と思って聞いたら、染まるの持ってるので本国から送るように手配してやる、とのことだったので、お願いしたら二日後に届いた。。FedEx早すぎ。1gのかけらを送るのに1万円かかったようですが(遅くてもいい、っていったのに、向こうのテクニシャンのチョンボ)。
今日試してみたらこれがしっかり染まる。昔のMerckのと同じようにしっかり染まる。実にすばらしくて感動した。こちらも1997年に購入したロットということで、今のロットで同じ物が出てくるかどうかは全く不明だから、やっぱりまたとても大事に使っていこうかと思った。(ちなみにChroma-Gesellschaft社のもの)
ニッスル染色なんて、学生実習でちゃちゃっとやるようなものなのだけれど、これだけのロット差があるとはまったく思いも寄らず、昔のヒトは買いだめしなかったのだろう。こんな全く単純で簡単な染色がぱっと染まっただけで、今更ながらにとてもうれしい気分になるのだから、サイエンスとは、 scientificではないし、satisfactionというのもscienceでは語れないと思わされるわけでした。